さらに門川大作・京都市長は、「犬の糞の放置を禁止しているまちの美化推進条例をはじめ、これまでの取り組みや全国の事例の検証とともに、糞尿被害に関する意識調査をすることとしている。これらを踏まえ、飼い主意識向上の働きかけ、マナー違反を許さない機運の醸成、発生した糞尿の除去等を実施するとともに、実効性を高めるための条例のあり方も検討していく」と述べた。
同月26日の予算特別委員会第二分科会では、自民党の中村三之助氏が「今後の方向を3月10日の常任委員会で報告すると聞いていたが、間に合うのか。実効性の高いものとなるよう十分議論してほしい」と要求した。
14年7月には、吉田氏は「政策提言 京都市における『ふん害』対策の提案」なる文書を発した。
そこには、上述の糞害対策に取り組むきっかけや、これまでの議会の発言などを紹介したり、「『調査なくして発言なし』が、現場第一主義の公明党の誇るべき伝統である」と自画自賛しながら、企業や主婦、学生などにに聞き取り調査をしたことを誇ったり、海外視察をしたことに触れながら、京都市も糞害対策条例を制定すべき、と力説している。
この吉田氏の提言以降、お仲間の発言がさらにエスカレートしていった。
提言の翌月8月20日の教育福祉委員会では、自民党の加藤盛氏が、こう質問した。
「糞尿被害については犬猫等糞尿被害対策検討プロジェクトチームにおいて検討中であると思うが、実効性のある規制について、どのように取り組んでいくのか」
これに対し、中谷保健衛生推進室生活衛生担当部長は、「糞尿被害について、PTにおいて防止策を検討している。実効性の規制については、行為規範を明確にすべきであり、また、根拠となるものが必要と認識しており、条例制定に向けて検討している」と回答。
その後、出来レースのにおいのする質疑が交わされたのだった。
加藤氏は、こう言った。「犬猫が好きな人ばかりではない。まわりに迷惑をかけるような餌やりや、最近ニュースで見かけるような犬猫屋敷のような事例を考えると、糞尿に限った条例ではなく、もっと幅広く課題を捉え、人と動物の正しい関わりを位置づけるような条例が必要ではないか」
これは暗に、野良猫の餌やりの罰則規制を意味しているように、見受けられる。
実際、これに対して中谷部長は、「大変重要なご指摘をいただいた」といい、こう語った。
(続く)