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Channel: ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一
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京都市“猫エサやり禁止条例”ができるで マッチポンプ 五

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 犬猫の糞尿被害対策のプロジェクトチームを立ち上げるよう執拗に迫った公明党の京都市議・吉田孝雄氏は、その後、2013年7月28日から8月5日にかけて、他の政党や京都市職員とともに、海外視察に出かけた。

 視察メンバーは以下の通り。公明党の吉田孝雄、井上教子、津田早苗、自民党の中村三之助、橋泰一朗、中川一雄氏、民主・都みらいの安井つとむ、中野洋一、京都市保健福祉局長・木博司、京都市会事務局総務課庶務係長・太田昌志氏。。

 京都市議会の与党会派は、自民、民主・都みらい、公明、地域政党京都(当時)。実に議席数の7割5分以上を与党が占めている。野党は共産党だけという慣れ合い議会。

 要するに、「お仲間」で海外に出かけた。

 視察場所は、、ドイツ、フランス、イギリス。

 視察の主目的は、「『人と動物が共生できる先進都市・京都』の推進強化に向けた『京都動物愛護センター(仮称)』の整備充実と有効活用に向けた調査」だが、「糞尿対策」の視察も兼ねていた。

 糞尿の視察に力を入れたのは、いうまでもなく吉田氏だった。

 例えば、ドイツのベルリンでは、犬の糞の放置には罰金35ユーロが科せられたり、市内にポスト型の糞を入れることのできるゴミ箱が設置されているのを視察していた。

 フランスのパリでも、犬の飼い主が糞を放置すると、罰金35ユーロを科しているのを視察したりしていた。

 だが、いずれも犬の糞対策で、吉田氏は、猫については全く視た形跡はない。既述のように、吉田氏は議会で散々、「犬猫の糞尿対策」を迫っておきながら、猫の対策について完全に欠落している。

 この視察の直後、吉田氏の「お仲間」の与党議員が、議会で吉田氏の援護射撃をするようになった。

 視察翌月の9月の市会市長総括では、一緒に視察に行った自民党の中村三之助氏が、「犬猫の糞の問題は、課題をクリアするため条例を所管する環境政策局を中心に関係局と連携し、条例を見直すべきか、独立した条例にすべきか考えるべき」と発言。

 これに対し、塚本稔副市長は、「全庁会議として『京都市犬猫ふん尿被害対策連絡会議』を開催し、現在の条例の効果を検証してきた。この会議の中で新しい条例も含めて検討していく」と答弁。

 翌14年2月1日の定例会の代表質問では、吉田氏がこう迫った。「京都市の地域特性にあった条例の制定と、それに向けた具体的な糞害対策の検討に着手していただきたい」

 これに対し、門川大作・京都市長は、「平成25年12月1日付でプロジェクトチームを設置。飼い主のモラルの向上と、糞尿の抑止と除去のそれぞれの観点から検討している」と答弁。

 (続く)


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